【膾】 17画 月(13) 1級
[音] | カイ |
[訓] | なます |
なますにする |
《意味》
【膾炙】かいしゃ
世間に広く知れわたること。広く人々のうわさになること。
「膾」は「なます」、「炙」は「あぶり肉」の意で、どちらもよく人の口に合い好まれることから。
ふつう、「人口に膾炙する」の形で使う。
【膾炙人口】かいしゃじんこう
広く世間の評判となり、もてはやされていること。
「膾」はなますで、生の肉を細かく刻んだもの、「炙」はあぶり肉のこと。どちらも万人の口にあって好まれることから。
「人口膾炙」ともいう。「人口に膾炙する」が書き下し文。
【膾残魚】しらうお
サケ目シラウオ科の魚。全長約10㎝。体形は細長く、頭部が扁平する。無色半透明で、死ぬと白色不透明になる。食用にして美味。
Wikipedia「シラウオ」
「白魚・銀魚・鱠残魚」とも書く。
【膾】なます
【蓴羹鱸膾】じゅんこうろかい
故郷を懐かしく思う情。
「蓴羮」は蓴菜の吸い物。「鱸膾」は鱸の切り身料理。
晋の張翰が、自分の故郷のこれらの食べ物を懐かしみ、官を辞して帰郷したことから。
「狐死首丘」「胡馬北風」「池魚故淵」
《字源》
声符は「會(かい)」で、「會」は常用漢字「会」の旧字体でもある。
「會」は「亼(しゅう)+曾の省略形」で「亼」は蓋の形、「曾」は甑。
甑に蓋をすることを「會」という。
蓋が合うので「あう」意になる。
「合」は「亼+口(さい)」で文書を収めた器「口」に蓋をする形。
《字体》
「会・會」の部分は、唐代の手書きの楷書では「」や「」のように、中を「田」で書くのが主流で、戦国時代の楚簡や漢代の隷書から見られる形。
中を「」にした「會」は唐代になって説文解字の字体に倣って作られた正字。
「會」に従う「檜(桧)・獪・絵(繪)・膾」なども同様。
「会」は草書を楷書化した字体で、中国の簡体字にも採用されている。